2013年5月20日月曜日

風にバタバタと 

ボロボロに裂けた 

気球の切れはしを はためかせて 


それでも不思議に 

墜ちることもなく 



空っぽの竜骨のあいだを 

ひゅうひゅうと 

風が吹きぬける 


凍てつく 薄く澄んだ空 


裂けた気球が 

もとにもどることもないのに 

もとにもどす方法もないのに 


それでも 飛びつづける 

蒼い地表のかなたを 


なにもなかったように 

なにも失われなかったかのように 


キャビンの操縦士の まばたきしない瞳には 

刷毛ではいたような雲のほかには 

なにも映らない 


空っぽのままで 

感覚もないままに 


墜ち方を 知らない 

空の幽霊船

何処へ・・・

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